寅ヤス不動産 有限会社千尚REAL ESTATE AGENCIES

福岡寅ヤス不動産 有限会社千尚

不動産業界に入ったきっかけは

不動産業に携わることになったのは、20代後半にアパートの購入で不動産トラブルを経験したことがきっかけです。不動産業に勤めていた親戚からアパート購入を勧められ、最初は断っていたのですが「融資が下りれば価値があるはず」「不動産オーナーになれるかも」と甘い考えもあって申込み、心配していた融資が無事下りたので何の知識もないまま購入しました。ところが購入してすぐ雨漏りしていることが分かり、加えて10年以上住んでいた入居者さんが退去費用を払わず出ていってしまうトラブルに見舞われてしまったんです。いざ退去後のリフォームをするにも雨漏りで壁はボロボロ、そのリフォーム費用も高額でしたから、一時は「人生終わった」と絶望したほど。「騙されたかもしれない」という不動産取引に対する不信感は募る一方でした。とはいえ親戚に強く言うことはできず、市の不動産相談所に行っても当たり障りのない答えばかりで解決までは至れず…誰を頼ればいいのか、どうすればいいのかと悩み、とても辛かったです。

 

そうした中、不動産オーナーとして自主管理を続けていたのですが、次第に「自分と同じ思いをしてほしくない」という気持ちが強くなっていきました。そこから知識が無いことで失敗したり、相談できない辛さを知っている自分が不動産会社を作ればいいのではと考えるようになり、開業を決意。全国で問題が深刻化している空き家専門の売買仲介でやっていこうと決めました。私はそれまでやりたい仕事がなかったのですが、不動産で困っている人を助けることを一生の仕事にしようと思ったのです。

 

実はアパートを購入した年に試験を受け、宅建士の資格は取っていたものの実務経験はありませんし、最初のうちはお客様もなかなか来なくて苦労がありました。それでも自分がされてイヤなことはしたくなかったので、電話をかけるなど積極的な営業をすることはせず、ただ待っている感じでしたね。その間に行政書士の勉強をして開業翌年に資格を取得、行政書士の仕事は相続手続きのお手伝いなど不動産業と密接に関わることもあって、業界経験がない分の強みを作ることができたと思います。知り合いからの紹介にも助けられながらじっくり経験を積み、困っているお客様の要望に常に応えられるよう今も日々努力を続けています。

寅ヤス不動産はどういう会社ですか？心がけていることは？

当社は不動産相談窓口として、一人一人のお客様にしっかり向き合えるよう完全予約制でやらせていただいています。常に私が対応するので安心いただけると思いますし、会社の方針や利益に縛られず、お客様にメリットのあるご提案ができることも大きな特徴だと思います。お客様の立場では分かりづらい点や曖昧になりがちなことを丁寧にアドバイスできるのも強みの一つ。自分の経験を元にお客様目線でお話させていただきます。「こんな相談でもいいですか？」「相談料を払わなきゃいけないの？」と心配される方もいますが、もちろんお金はかかりませんし、たとえ当社にとって利益にならないことでもご相談いただいた以上、協力は惜しみません。自分の勉強にもなりますし、何より私を頼ってくれたことが嬉しいので、ぜひ気軽に相談してほしいですね。

 

空き家については”北九州市空き家バンク”という活動をしているのですが、何らかの問題がある家も多く、なかなか売れない現実があります。そこでただ売るというのではなく、どういう風に処分すればお客様にとって一番良い形になるか、利益になるかということを考えた対応をするよう心がけています。たとえば道路に面していなくて有効利用が難しい家や土地は近隣の方が買うことが多く、実際、隣人が買うと一番メリットがありますから、売主様にはそうしたことをお伝えして、いろんな可能性を共有しながら進めるといった形です。そしてその物件に面している土地の所有者様の所にも足を運び、「どうですか」とお声かけするのですが、何かしらのアクションがあることも少なくありませんから、積極的に出来ることをやった上で、ダメならまた次の方法を考えましょうという風に売主様にお伝えしています。

 

空き家の相談の中には遠方の方から、相続登記していない実家のことで「どうしたらいい？」とご相談いただくこともあるのですが、そうした場合「相続登記ができるか？」という問題から始まるので少し難しくなります。とはいえ相続登記できないと売却ができませんから、お客様にお話を伺いながら色々な方法を考えて出来る限りの対応をするよう努めています。他の不動産会社では連携している司法書士さんをご紹介する形が多いと思いますが、当社では私が行政書士として相続登記のお手伝いができる点も強みで、手続きからその後の売却まで安心してお任せいただけるものと自負しています。ただ、相続登記にも色々なケースがあって一概には言えませんが、相続人同士で揉めているような場合は弁護士さんをご紹介することも。当社で対応できないことも横とのつながりを生かして、問題解決に向けたお手伝いをしたいと思っています。

不動産業をやっていてうれしいことや特に印象に残っていることは？

売主様も買い主様も「売れて良かった」「買えて良かった」とWin-Winで喜んでいる姿を見ると、「自分の判断は間違っていなかった。良かったな」とうれしく思います。この仕事をやっていて一番やりがいを感じる時です。

 

最近、印象に残っているのは、高齢のご夫婦から依頼いただいた売却案件です。買い主様を探して翌々週には契約を交わす段階まできたところで旦那様がお亡くなりになり、奥様に相続登記することになったのですが、亡くなった旦那様は再婚で前の奥様との間にお子様がいて、そのお子様が弁護士を立ててきたことから揉める一歩手前に。売主である奥様は高齢だったため私の方でずっと弁護士さんと対応し、最終的にお子様に相続放棄をしてもらって無事に奥様の相続が完了、売却できるようになりました。奥様から「全てあなたに任せる」と言っていただいたことで、自分の方針や言動のひとつひとつが売主様の人生に大きな影響を与えることを改めて実感。すごく難しい仕事であると同時に、やりがいを感じられる仕事だと思い、気を引き締める経験になりました。

 

売却を検討されているお客様へのメッセージ

私もお客さんの立場だった頃、売却一括査定サイトを利用したことがあって、色々な不動産会社から査定を受けました。今にして思えば、売れもしない高値をつけたり、調子のいいことを言う会社がたくさんいたのですが、その時は不動産会社が依頼を得るためにやっていることとは知りませんでした。残念ながら、高値をつける不動産会社が良い業者ではないということは、アドバイスされてわかることではありません。だから恐縮ですが、お客様自身もしっかり勉強して、判断する力を身につけてほしいと思っています。

 

私自身は業者側の人間ですが、お客様の立場で物事を考えるようにしています。査定額を高くつければお客様はうれしいと思いますが、私は契約後に「売れないから」と値下げを求めていくことは絶対したくありません。お客様目線に立ったお話を丁寧にして、擦り合わせをしながら納得いただける売却活動を進めていきたいと思っています。どんなことでも、どうぞお気軽にお声掛けください。

趣味・休日の過ごし方

毎朝近所を散歩しています。住み慣れた地元でも日々新しい発見があるんです。季節と天気でルートを変えて歩き、不動産屋目線で道路や建物を見ていくと勉強にもなって楽しいです。ラーメンが好きなので休日はよく食べに行っています。

尊敬する人

母です。女手ひとつで兄と私を育て上げ、一生懸命働いて大学まで行かせてくれました。行動力のある人で、個人や法人で様々な業種に挑戦する姿を見て刺激を受けました。

座右の銘

「人事を尽くして天命を待つ」です。お客様には騙されることなく良い不動産会社を選んでもらい、一番の利益を取ってもらいたいと思っていますが、最終的に判断するのはお客様です。様々な選択肢を提供するため、私自身成長できるよう日々意識しています。