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家を売る理由で多いのは?不動産売却でランキング上位となる理由を解説!
家を売る理由は人によってさまざま
売りたくて家を売る場合
ひとくちに家を売るといっても、売却の決断に至る事情は人によってさまざまです。その事情を大きく分けると、売りたくて売る場合と売りたくなくても売る場合があります。
家は建て替えることで理想に近づくという話があるように、理想とする住宅を求めてポジティブに住み替えるケースなどは売りたくて売る代表例でしょう。また、自身のライフスタイルの変化に家を合わせるための売却も積極的な理由のひとつです。
ライフスタイルの変化には居住人数の増減もかかわってきます。増加の原因は結婚や出産、親族との同居など、減少は離婚や子どもの独立などが原因です。
売りたくなくても売る場合
家を売る理由によっては、積極的に売りたいと思っているわけではない場合や、本音は売りたくないが売らざるを得ない場合があります。よくいわれるのが、経済的な理由で家を手放さざるを得ないケースです。また、建てたばかりのマイホームを転勤で手放すケースも不本意ながらの売却だといえるでしょう。
ただし、家を売る理由が同じであっても売りたいと思っているか、売りたくないと思っているかは人によります。ここで紹介している例はあくまでも一般的なケースです。
家を売る理由によって売却スケジュールの余裕に差が出る
家の売却を決断してから実際に売れるまでの期間はケースバイケースです。同時に、家を売る理由によって売却スケジュールの余裕に差が出ることも考えておきましょう。家の買い手から見た場合、売却理由にマイナス要因があれば購入意欲の低下が考えられます。一方、物件の価値が大きければ奪い合いになることも珍しくありません。
また、家を売る理由によっては急いで買い手を見付ける必要性が低いことがあるでしょう。この場合、時間の経過とともに売却理由が消滅してしまい、売る必要がなくなる可能性があります。
以上のことから、売却の緊急性や買い手の付きやすさを考慮して、損をしないための対策としてスケジュールを考える必要があるといえそうです。
家を売る時は家族構成と生活から考える
より暮らしやすい家に住み替えるため
より趣味を楽しめる部屋が欲しい、ペットの飼育に適した環境に引っ越したいといった理由で家を売る人が少なくありません。現在の家に大きな不満があるわけではないものの、さらに快適な住宅を求めての住み替えです。また、子どもの成長に合わせて手狭になった家を売って広い家に住み替えるケースも、より暮らしやすい家に住み替える代表的な例だといえます。
結婚や出産・離婚を機に住み替えるため
家族構成の変化に適応するための住み替えで家を売るケースも一般的です。イベントである結婚や出産という一大イベントを機に、単身者向けや少人数世帯向けの家を売ってファミリー向け物件に住み替えるケースが多数あります。
一方で、離婚することになりお互いがその土地を離れるために家を売るケースも珍しくないようです。どちらかが残るにしても広い家が不要となるために売却して住み替えるケースもあります。また、財産分与が関係するケースも多いといえるでしょう。
親や子と同居するため
高齢化社会となって、親の介護が必要となり二世帯住宅に住み替えるために家を売るケースがあります。完全な同居ではなく同一敷地内に二棟を建築して住み替える敷地内同居も有力な選択肢です。また、忙しい子ども夫婦を助けて孫の面倒をみるために住み替える、そのために現在の家を売るといったケースがあるのも現代の特徴といえるでしょう。
子どもが独立したタイミングで住み替えるため
世帯の人数が増える時期があれば、減る時期もあります。子育てが終わり、子ども部屋が空室となって大きな家を維持する意思がなくなって家を売るケースが代表的です。また、家族に対する責任を果たし終えたとして、老後を自分の出身地で暮らすために家を売却するケースも見られます。
老人ホームへの入居で家を売る
高齢者の介護といえば、人手と知識、経験が必要な分野です。介護のために二世帯住宅に住み替えるケースとは別に、自宅から介護施設等への移住を選択するケースがあります。家の売却益を費用の一部に充当することも可能です。
家を売ってお金を捻出する
自由診療の費用を捻出するため
まとまったお金が必要となり、他にお金を用意する手立てがないために家を売るケースがあります。その代表例が医療費です。通常は保険制度が充実しており、高額療養費制度を使えば自己負担額が抑えられます。しかし、健康保険が適用にならない全額自己負担の自由診療で行われる種類の高度医療を受けるためには相当のお金が必要です。預貯金で足りなければ家を売るという選択肢が出てきます。
教育費を用意するため
子どもの教育費を用意するために家を売るケースも少なくないといえるでしょう。文部科学省のデータによれば、平成31年度の大学進学率が53.7%(※)となっています。少子化が進む中で、わが子に少しでもよい教育を受けさせたい、教育で損をさせたくないと考える親心もあるのでしょう。
参照:文部科学省【参考資料2】大学入学者選抜関連基礎資料集
生活費を賄うため
解雇や賃下げなど、リストラの影響を受けて生活苦に陥るケースや、恒常的な家計の赤字に悩んでいるケースで生活費の不足を賄うために家を手放すケースがあります。このケースの引っ越し先は主に3つです。家を売ったお金で家賃を払ったほうが楽だと判断して賃貸物件を借りるケース、安い中古住宅を購入するケース、実家などに身を寄せるケースがあります。
借金の返済資金にするため
お金がなくて家を売るケースの代表例ともいえるのが、借金を整理するための売却です。不動産担保ローンであれば抵当に入っているでしょう。消費者金融やクレジットカードのキャッシングといった無担保融資を受けている場合でも、払えなくなれば家を売る選択が現実味を帯びてきます。債務整理で自己破産を行うケースでは、財産となる家を売らずに残すことはほぼ不可能です。
▼お金がないために家を売る場合については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
住宅ローンを払えなくなったため
▼住宅ローンのある家の売却については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
活用する予定がない家を売る
相続した家を売る
親が住んでいた実家を相続したものの、自分は都会にマイホームを構えているため住む予定がないといった理由で家を売るケースは一般的です。また、兄弟が複数人で相続した家を売って売却益を分配するケースも珍しくありません。家は使わずに放置していると傷みが進んでしまうため、早めの売却を検討するケースも多いようです。
空き家を処分する
相続で自宅とは別に所有することになった家や、住み替え前の自宅を売却しないまま何年か経過するケースがあります。こういった物件の場合、所有者の売りたい気持ちが強くないために時間が経過したケースもあるでしょう。しかし、無人となっている家や老朽化して使い道が無くなった家など、いわゆる空き家はご近所に迷惑になるケースがあることから処分に至るケースが見受けられます。
転勤で家を手放す
転勤で家を売るケースも珍しくありません。ただし、せっかく建てたマイホームだけに、できれば手放したくないと思うケースも多いでしょう。そこで、再び戻ってくる時期が明確なケースでは賃貸に出す手があります。しかし、戻るまでに長い年月がかかる、戻る可能性がない、といったケースでは売却の可能性が大です。
その他のネガティブな事情で手放す
ご近所トラブルなどで土地を離れる
家を売る理由としては主流ではないものの、少なくない事例といえるのがご近所トラブルなどで土地を離れるケースです。
- ご近所の住人と折り合いが悪い
- ご近所に騒音を出すなど迷惑行為を繰り返す住人がいる
- ストーカーに付け回されている
- 子どもが学校でいじめられている
- 地域全体の治安に不安がある
- 空気が汚れているなど環境がよくない
どれかひとつでも家を売る理由になりますが、複数が該当するようなら一刻も早く売ってしまいたいと考えても不思議ではないでしょう。
事故物件の処分
死亡事故や殺人事件などの重大な事案の発生は、家を売る理由として十分なものだといえるでしょう。自身や家族が居住していた家の場合は、そこに住み続けることへの心理的な負担から売却を選択するケースが考えられます。空き家だった場合、所有し続けなければならない理由でもない限り、事故物件を処分してしまいたい気持ちが生じるのは自然なことではないでしょうか。
家を売る理由に関わる4つの瑕疵
物理的瑕疵
家を売る場合、注意点としてその家に瑕疵があれば告知・説明しなければなりません。家自体に存在する瑕疵を物理的瑕疵と呼びます。
- 雨漏りする箇所がある
- シロアリ被害がある
- 水回りの配管が傷んでいる
- 耐震性に問題がある
- 地盤が沈下している
上記は一例ですが、家としての性能に問題がある場合は、買主に対して告知しなければなりません。買主からすれば、「家を買って住み始めたら天井から雨水が落ちてきた」などという欠陥や事態はあり得ないことでしょう。知っていれば買わなかったかもしれない事実です。
法律的瑕疵
法律的瑕疵とは、売る家が法律に適合していないことを意味します。
- 建築基準法に違反している
- 消防法に違反している
- 都市計画法に違反している
例として、建築基準法の関係で有名なのが、接道義務を満たしていないケースです。大雑把にいうと、法が認める4m以上の道路に敷地が2m以上接している必要があります。この規定を満たしていない家は「再建築不可物件」です。建て替えができません。
消防法で一般住宅に関係する規定といえば、火災報知器(煙感知器などの設置)があります。個人の戸建て住宅レベルの設備であれば、別途設置するとしても大きな出費にはなりません。しかし、付いているつもりで付いていなかったり、壊れていたりすれば大事に至りかねません。
心理的瑕疵
心理的瑕疵は人が恐れや嫌悪感、抵抗感を覚えるような事実を指します。その家の中で自殺や殺人事件、死亡事故が起きていたり、孤独死があったりすれば「事故物件」と呼ばれて心理的瑕疵があるとされる可能性がある物件です。
環境的瑕疵
環境的瑕疵とは、その名のとおり家が立地する場所、その周辺の環境の問題です。騒音やトラブルの存在、暴力団事務所や風俗営業、墓地などの嫌悪施設と呼ばれる施設がある場合に該当します。
瑕疵の告知・説明が必要な根拠
民法上の義務
家を売る立場としては少しでも高値で売りたいものです。そのため、多少の問題を抱えた家であっても聞かれなければ敢えて触れないといったことが起こり得ます。しかし、買主の立場では、瑕疵があるならきちんと説明を受けたうえで購入の判断をしたいものです。そこで民法では信義誠実の原則を定めています。「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」とするものです。
また、同じく民法では従来から瑕疵担保責任を定めていました。隠れた瑕疵(買主が通常発見できない瑕疵)がある場合に売主の責任を問う定めです。一方で、売主は家を売るにあたって知っている瑕疵を告知する義務があります。
この瑕疵担保責任は2020年4月1日施行の改正民法によって契約不適合責任に生まれ変わりました。ただし、改正前の契約については従来通り瑕疵担保責任が適用されます。改正法のポイントは、契約に適合しているかどうかです。つまり、売主が瑕疵を知っていたかどうかは関係なく、契約内容と実際の物件が一致しているかどうかが問題となります。
たとえば、雨漏りのない家を売買する契約内容であるにもかかわらず、実際には雨漏りがある場合は契約不適合となってしまいます。雨漏りの事実を知っていれば、雨漏りのない家の売買契約を結ぶという選択肢はありません。キチンと告知したうえで、雨漏りのある家として売買することになります。告知だけはしていても、契約内容が雨漏りのない家となっていれば駄目です。
宅建業法上の義務
家を売る際に個人で売買をするのではなく、不動産会社(宅地建物取引業者)に依頼するケースが多いといえます。また、宅地建物取引業者自身が売主となる場合も含めて、宅地建物取引業法に規定される重要事項の説明等を、書面を交付のうえで行わなければなりません。
とはいえ、事故物件と呼ばれる家の場合、告知すべき事実に該当するか、告知する内容をどうするかの判断が難しいとされています。そこで人が死亡した家の心理的瑕疵について、国土交通省では「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しています。
ただし、ガイドラインに準拠しなかったからといって、直ちに法令違反に結びつくものではありません。また、ガイドラインに準拠した取扱いを行うことで、すべての法的な紛争が予防できるわけではないものの、事故物件の告知に関する取扱いの基準として役立つことを期待して制定されたものです。
消費者契約法上の義務
売主が事業者で買主が消費者である場合、消費者契約法上の不利益事実の不告知に抵触しないよう注意しなければなりません。不利益事実の不告知は、事業者と消費者の間には、得られる情報の質量と交渉力に大きな差があることに鑑み、消費者を保護するために設けられている規定です。
瑕疵が存在しているにもかかわらず、その事実を故意に告知しなかった場合はもちろんのこと、重大な過失によって告知しなかった場合にも適用があります。不利益事実の不告知があった場合は、買主はその家の売買契約を取り消すことが可能です。たとえば、近々に高層ビルの建築が予定されており、家の日照条件が悪くなることを知っていて告知せず、陽当たり良好物件として販売するケースなどが該当します。
家を売る理由と売却価格の関係
売却理由が価格に影響しないケース
家を売る理由が売却価格に影響するケースもあれば影響しないケースもあります。影響しないケースはどういったケースでしょうか。一般的な考えでは、単純な住み替えの場合は価格に影響しないといえるでしょう。なぜなら、問題があるのはライフスタイルなど売主の都合と家とのマッチングであって、家そのものに瑕疵や問題があって売るわけではないためです。
したがって、基本的には売却額を下げる要素がありません。逆にいえば、家の価値を高める要素も見当たらないため、単純な住み替えは価格に影響しない可も不可もない売却理由といえそうです。
売却理由が価格に影響しやすいケース
売却理由が価格に影響しやすいケースとしては、やはり事故物件やトラブル要因が存在する家が思い浮かびます。すべての事故物件の価格が相場より安くなると決まっているわけではありませんが、一般的に事故物件が周辺の家の売却価格より割安になるケースが多いのは事実です。 事故物件でなくても何らかの瑕疵がある家の場合、瑕疵のない家よりも価格が下がるのは仕方のないことだといえるでしょう。一方で、最近リフォームしたばかりといったプラスの事情があれば、高い価格で売れる可能性があります。
また、新築したばかりで転勤となってしまい、仕方なく売るケースでは、築浅である点が評価ポイントとなって高値になりやすいといえます。この場合は、転勤という理由が直接影響するわけではないものの、結果的に影響を及ぼしているといえるでしょう。
売却理由よりも売り急ぎが価格に影響しやすい
注意すべきは、家そのものの状態や売却理由とは別の原因による価格への影響です。たとえば、売り急ぎは本来なら高値になりそうな家の価格を下げてしまう恐れがあります。適正な価格が付くまで待てないためです。売却理由が急ぐ性質のものでなければ、じっくり構えるほうが希望価格に近づきやすく、お得な価格で売りやすいといえます。
売れ残りを防ぐために安く売るケースもある
売り急ぐ理由がない場合でも、いつまでも売れないままでは困ることがあるでしょう。売れ残り防止のためにいくらか値下げせざるを得ないケースがあります。
売却理由の告知に関する考え方
公的に告知・説明義務がある事項については漏らさず告知・説明しなければならないものの、そうではない事項の告知についてはケースバイケースといえます。売却にプラスになるような理由なら告知したほうがよく、そうでなければ黙っておくという選択も可能です。ただし、前述の契約不適合責任を問われることがないように注意しなければなりません。
家を売る理由も考慮して業者を選ぶ
家を売るなら業者に依頼したほうがよい
家を売る方法には、主に自分が買主と直接取引きする個人間売買と中古住宅買取業者への売却、業者の媒介を利用した売却の3つがあります。
個人間売買は手数料が必要ない点が大きなメリットです。とはいえ、すべての準備や専門的な手続きを自分で行う必要があるため、不動産売買に慣れていない人にとってはハードルが高いといえるでしょう。中古住宅買取業者への売却を選ぶ場合は別にして、トラブル回避のためにも業者に媒介を依頼したほうがメリットは大きいといえます。
業者を見極める
媒介を依頼する業者を選ぶ際には、可能な限り複数社と話をするべきです。その中から経験豊富で実務能力が高い業者、親身になって動いてくれる業者、売却理由にかかわらず状況に応じて柔軟に対応してくれる業者を選びます。業者の経験年数自体は、免許番号のカッコ内に書かれている数字の大きさで判別可能です。数字が大きいほど営業年数が長いことを意味しています。
もし、売る家が事故物件や瑕疵のある物件の場合、そういった物件の取引の流れに慣れている業者のほうが、伝えるコツを心得ているなど安心して任せられるでしょう。 もちろん、高く売ってくれることも重要です。無料査定を利用したり、相談したりすることで価格の目安がわかります。また、業者によってはマンションか一戸建てかで得意・不得意が分かれる可能性がある点にも注意しましょう。さらに、業者や担当者との相性も重要となるため、第一印象の善し悪しを重視します。相性がよければ税金のことなども含めて、よい相談相手になるかもしれません。
▼売却方法や査定については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
家を売るときは早めの計画と行動を!
家を売る考えが浮かんだときは、いつまでに売れればよいのかをある程度は明確にすることが重要です。まとまったお金が必要な時期や転勤の時期など、これ以上遅くできないタイミングがある場合はよりしっかりとした計画が大切になります。 うっかりしていると売却が間に合わず、安値で手放すことになりかねません。計画が早過ぎて困ることはないでしょうから、余裕をもって行動しましょう。
▼「家を売るときの基礎知識まとめ」については、こちらの記事でも詳しく解説しています。